連載コラム

遊戯施設のセキュリティ事情(3)

[ 2008.12.26 ]

IP化、IT化は既に業界の潮流

 「パーラーやゲームセンター等の大型店や複合店、また特に新設の店舗では、ほとんどすべてにIPベースのシステムを納入している」とPSSJの栗原氏は現況を語る。また、STRASSEの中條氏も「店舗が大型化し、監視カメラの設置台数が増えれば増えるほど、ケーブルの省線化とそれに伴う工事費の削減はIP化の大きなメリットになっている」と語り、「他の警備システムとの連携性、カメラ増設などの拡張性、またソフトウエアが作りやすい点などにも優れている」としてIPシステム増加の背景を説明する。
さらに、「チェーン展開が増えている現在の遊戯業界では、遠隔にある本部で各店舗を集中監視や管制できる利点は非常に大きい」とシーベルの丹羽氏もIP化のメリットを挙げる。

 今後、本格的なメガピクセル高画質の時代を迎えると、遠隔と集中監視化の流れがさらに加速することが予想される。現在のアナログ方式でメガピクセル高画質をハイビジョン化すると、構成機器に出力するため、1台のカメラに3本の同軸ケーブルが必要となる。あるいはLANケーブル経由で構成機器の信号を100mごとに増幅させながら送るといった手間が必要となる。IPならば簡単にハイビジョン化ができるため、この差は歴然である。
その上、現在の動画圧縮技術のMPEG-4がH.264へと移行した場合、大容量の高画質の動画像を円滑に遠隔地へ伝送できる時代になる。既にそのベースとなる基盤は、現在ほぼ確立している。

今後のシステム開発

 STRASSEの中條氏は「2011年にはアナログ放送が終了となり、すべてが地上デジタル放送になる、現行のモニター機器も映像の入力方法、画面比率等が変わってくるため遊戯施設でも、否応なくセキュリティシステムの見直しを迫られることになる」と3年後を見据える。将来構築されるさらに高度なセキュリティ環境では、操作性もこれまで以上に重要になり、自動化への期待も増すに違いない。今後の展望として、やはりIPを基底にした高度なIT化や自動化がキーワードになってきそうだ。

 「IPをベースとしたシステムは今後ますます進化し、機能性や操作性もさらに向上する。いま以上の高画質映像の実現やその長期保存、高度な検索機能の需要にも対応していきたい」とPSSJの栗原氏は抱負を述べる。また、シーベルの丹羽氏も「ネットワーク化に伴う遠隔監視はもちろん、システムの高度化はかなり進んでいる。これをどう活かし何を目的とするのかは、ユーザー自身の判断にかかっている」と使用側の意識改革や高性能化への要求に期待する。

 遊戯施設は今後どんな変貌を遂げていくのか。願わくは、フルレート高画質の記録映像が「容疑者の顔」ではなく、フィーバーの連チャンやゲームの高得点に沸く、お年寄りや子供たちの「笑顔」であって欲しいものだ。

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左:中條知一氏 STRASSE 専務取締役/
中:丹羽和則氏 シーベル 代表取締役

右:栗原宏児氏 パナソニックシステムソリューションズジャパン

営業本部 AVパートナーグループ パーラー営業チーム チームリーダー

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