連載コラム

IP映像の無線伝送

[ 2010年9月30日 ]

a&s JAPAN

 携帯電話や無線LANに代表されるように、無線技術の発展は社会基盤を大きく変貌させただけではなく、様々な用途の広がりをもたらしている。特に、高速通信が可能なWiMAXの出現は、モバイル環境でのPC使用を快適にするだけにとどまらず、将来性のある無線技術として注目を集めている。

 文字通り、ケーブル敷設の必要がない無線は、監視映像の伝送経路としても有効に機能し、広範囲な敷地内の監視や駐車場、市街地の監視などに多く採用されているのは周知の事実だ。高速化する無線伝送と、ハイビジョン化する監視映像の結びつきは、費用対効果だけではなく、私たちの生活にまで大きく貢献していくことになると考えられる。
【a&s JAPAN 2010年9月号(No.18)より】

西山恵造

2つの無線伝送方式

 無線の定義は、通信のためにケーブルを使用しないこととなっている。したがって、ケーブルを使わずにデータを伝搬していれば「無線」となるわけで、伝送媒体は電波でも光でもかまわないということになる。しかし、そこには通信を行う両者間での取り決めがなければならない。それが規格と方式である。

 規格に関しては、国内の場合総務省が認可しており、周波数帯域や出力、伝送速度などが事細かに決められている。本稿で主に扱う無線LANの種類と規格に関しては、次項で説明するので、ここでは無線の伝送方式についてふれたい。

 一般的に、無線の伝送方式としては、親局と子局を1対1に結んで通信を行う「Point to Point (P-P)方式」と、親局と複数の子局が同時に通信を行う「Point to Multi Point (P-MP)方式」があり、いわゆるIEEE802.11系の無線LANはアクセスポイントとの間でP-MP方式で伝送している。

 「IEEE802.11系プロトコルを採用していないP-P方式の場合、日本の電波法から逸脱していなければ、どのようにでもプロトコルを設計できるため、余分なオーバーヘッドを持たない非公開の専用プロトコルで効率の高い無線システムが構築できる」と日立国際電気 通信事業部モバイルシステム営業本部 システム部部長の青栁雄二氏は語る。

青栁 雄二氏
日立国際電気
通信事業部 モバイルシステム営業本部
システム部 部長
青栁 雄二

 これに対して、P-MP方式のプロトコルを使うと、IEEE802.11系の無線LANに代表されるように、各子局からの送信の衝突防止のためにランダムなウェイトの時間が入るので、その分スピードが落ちてしまう。伝送速度が仕様上の理論値で54Mbpsと表記されていても、実際には20Mbps程度の速度しか出ないことになる。

 どちらの方式においても、無線部分はLANケーブルの代わりと考えられ、両者間が遠距離であってもケーブル敷設することなく映像を送信できるのが利点だ。また、ケーブルのないLAN回線と考えれば、無線LANに接続するために監視カメラに無線機能を搭載していなくても良いことになる。つまり、どこのIPカメラでも使うこともできるということだ。

 また、監視カメラに加えて、センサや測定器などでもLAN回線につながるものであれば、すべてを接続して遠隔地との間でデータの送受信をすることも可能になる。

P-MP方式の代表は無線LAN

 規格内であれば独自路線が打ち出せるP-P方式に対し、共有といった考え方が強いのがP-MP方式の特長で、その代表格がIEEE802.11系無線LANといえよう。

 IEEE802.11系無線LANの規格など、詳細は別表に掲載しているので参照されたいが、下記に代表的な規格と概要をまとめた。

・ 802.11b: 2.4GHz / 11Mbps / 無線LANが市場拡大した際に高速化された規格
・ 802.11g: 2.4GHz / 54Mbps / 11b上位互換で、さらに高速化された規格
・ 802.11a: 5GHz / 54Mbps / 11bと同等方式で5GHz帯の規格
・ 802.11j: 4.9GHz / 54Mbps / 無線アクセスシステム 登録局
・ 802.11n: ng2.4GHz、ag5GHz / 最大300Mbpsの高速性能

 IEEE802.11系無線LANは2.4GHz系と5GHz系に大別でき、2.4GHz帯は歴史も長く利用者も多いため、混信という問題が指摘されている。また、この周波数帯は無線LAN以外にも利用されている関係から、電波干渉による通信速度の低下やそれによる不安定さも不安材料となっている。屋外での利用も可能で、既にビル間無線LANにも応用されてはいるが、高速で大量のデータ転送を行う監視映像の伝送には不向きという声もある。

 一方、5GHz系の場合は、一部レーダーを除いて無線LAN専用に割り当てられていることから、比較的利用エリアが空いており、現在利用者が次第に増加している傾向にある。ただし、利用するときに注意しなければならないのが、屋外での利用が制限されている規格があることだ。

 監視映像伝送用に利用する際に室内用での利用なら問題ないことでも、屋外で利用する場合はその可否が障壁になる場合もある。

 この2つの周波数帯とは別に、4.9GHzの無線アクセスシステムも規格として採用されている。正式には5GHz無線アクセスシステムといい、認可を得た無線事業者の基地局と企業や家庭のPCを無線で接続するときに用いられているほか、離島や山間部などの情報インフラ整備として提供されることもある。また、CATVやFTTHの引込線の部分を無線にする場合もある。当然、屋外利用は可能だが、無線従事者(第三級陸上特殊無線技士以上)が必要になる。

 使いやすく手軽な無線LANだが、伝送する監視映像の画質やデータサイズなどを考慮し、屋外使用に対応させるかも含めて検討する必要がある。

a&sjapan100930_01-10.jpg図1:無線ブロードバンドの種類一覧

屋外監視カメラで利用される無線技術

 前述の通り今までの実績を振り返ると、2.4GHz帯の無線LANの利用が多い。しかし、速度の問題などがあるため、新しい方式が求められていることも確かだ。

 そこで、一躍FWAが注目を集めることになってきた。

 「FWAへのシフトが考えられる要因としては、11aが一部を除いて屋外利用が認められていないことにある。一部、屋外で利用が可能なものがあるが、その場合でもレーダー波の検知義務がある。もしレーダー波を検知した場合、チャネルを変える義務があり、チャネル変更後も数分間はレーダー波検知のため、電波を出してはいけないことになっている。この対応をすることで、見かけ上は不安定になってしまう。具体的には、気象レーダーが11aと同じ周波数の電波を使用している。無線LAN装置が気象レーダーを検知した場合、すぐに電波を停波し装置のチャネル変更時間と新たなチャネルでの検知時間終了まで送信を再開出来ないため、結果、無線通信が途絶する事になる﹂と、アイコム メディア技術部 技術課小松正樹氏は語っている。

小松氏
アイコム
メディア技術部 技術課
小松 正樹

 それに比べてFWAは屋外使用の制限がない。しかも、利用者数が少なく、帯域が空いているといった利点もある。さらに、11aに比べて許容電力が大きく、より長距離の通信にも向いているといった特長も持ち合わせている。

 小松氏の話に出てきた「電波干渉」については、室内、屋外ともに頭の痛い問題である。基本的には「干渉を避けて設定する」ということになるが、言葉で言うほど簡単ではない。

 干渉の主たるものとして、無線LANそのものがあるが、無線LAN同士の場合は、お互いにキャリアセンスといって、自分が電波を出す直前に電波を確認し、発信されていれば自身の送出を見合わせるというメカニズムがある。

 ただし、それを検出しないようなものもある。例えば、医療機関が使う高周波治療器も同じ周波数帯を使うが、受信機能がなく送信機能だけなので、電波をただ出すだけになってしまう。それに対して無線LANは検知するので、自分が発信しようとしても、そのような機器から電波が出ていることを検知すれば、送信できなくなってしまう。また、Bluetoothやコードレスマウス、デジタルコードレスホンなども干渉の原因になる。

 無線LANのアクセスポイントを設置する環境および台数等の条件により、「アクセスポイント間での干渉が考えられるような場所に関しては上位系に干渉をコントロールするシステムを導入し、電波干渉を抑制するシステムを提案している」と、JFEエンジニアリング 制御技術センター 企画推進室開発推進グループ(防爆無線LAN担当) 経営スタッフの岡哲史氏も語っている。また、同社制御技術センター 企画推進室長 主幹の山岸誠氏は、「アクセスポイントを無駄にラップしないように最適に配置するのが前提で、接続可能な端末の台数は使い道によって変わってくるというものの、できるだけアクセスポイントを減らす形で配置していく必要がある」と説く。

岡 哲史氏
JFEエンジニアリング
制御技術センター 企画推進室開発推進グループ
(防爆無線LAN担当) 経営スタッフ
岡 哲史

山岸氏
JFEエンジニアリング
制御技術センター 企画推進室長 主幹
山岸 誠

 一方、P-P方式の場合、日立国際電気通信事業部 企画部 部長代理の金山一宏氏は、「ほとんど干渉することはない」と語り、「当社の高速無線リピータ・SINELINK 25Gでは、帯域に余裕があるため高速で、監視カメラ用途としては有利な帯域と考えられる」という。設置に関しても、受信側と送信側が見えるところに設置する必要はあるものの、30分程度で済む簡便さだという。

金山 一宏氏
日立国際電気
通信事業部 企画部 部長代理
金山 一宏

固定局と無線技術の融合

 従来、カメラは同軸ケーブルを1本ずつ接続する形になり、工事費やカメラにしか使えないという問題があった。しかし、バックボーンとしてIPのインフラを作っておけば、IPカメラをつなぐだけで基本的にセンターに映像を伝送することができる。

 「例えば無線LAN環境があると、常時監視する必要はないが、トラブル発生時に一時的にある場所を見たいといった要求が生じても、IPカメラを持っていき、無線LANに接続すればセンターでその映像を見ることができる。また、終わったらそれは撤去すればよい。要はテンポラリーなカメラ監視システムとして使える」とJFEエンジニアリングの岡氏はその有用性を強調している。

 また、IPインフラを様々な用途で共有することができる利点がある。例えば通話端末用に設置したIP基盤であっても、カメラ通信用基盤として使えないわけではない。

 「もちろんセキュリティやVLAN等のネットワーク上の管理問題はあるが、それ以上に大きいプラントになればなるほど工事費の方が嵩んでくるので、その部分が非常にコストダウンできるということがお客様にとってメリットになると考えている」とJFEエンジニアリングの山岸氏も同様にその特長を語っている。

 別用途としては、「通信事業者の光ファイバの代わりとして使うことが考えられる。山間部や離島などでは、ケーブル敷設をするよりも低価格で有利」と説くのは、日立国際電気の金山氏だ。伝送監視用途のビル間通信と同様、専用線に比べても低価格で設置できる上、ランニングコストもかからない。

用途を考慮した転送速度と伝送距離を選択

 無線を使った場合に最も気になるのが伝送距離だが、これは使用するアンテナ能力によって差が出る。

 小型アンテナでは指向性を向き合わせで約1km、広範囲に電波を出す場合は300m、屋内では30m程度となる。アンテナが強い指向性を持っているものであれば、10kmも可能な距離となる。

 転送速度に関しては、電波環境が良好であれば拠点間の電波強度でおおむねの速度は期待できるとしている。ただし、干渉や気象条件などによっても変化する場合があり、正確には読めないことが多い。また通信を目的としない製品が、同じ周波数帯に混在している場合は、前述の干渉問題により転送速度の劣化という問題に直面する可能性が高い。

 また、フルハイビジョン映像を送出する場合、転送速度は24Mbpsとなり、11a/11g規格の54Mbpsでも実レートは20Mbpsから25Mbps程度となってしまうため、やや速度不足となることは否めない。

 このような場合には11n系の速度を使うことになるが、11nの高速レートは屋内のようなマルチパス環境で効果があるもので、移動中などではない無線経路に変化がない環境なことが重要となる。従って、屋外のP-P方式では期待するほどの速度が達成できない場合も起こりうる。

 日立国際電気のように、上りと下りの伝送速度が違う非対称モードを採用しているメーカーもある。「高速無線リピータSINELINK FXは、映像伝送用として映像伝送のニーズの高まりに合わせ、下りだけ太くし、そこにハイビジョン映像を何本か乗せたいというニーズを満足させている。無線プロトコルを変更し、下りを太くしてその分上りを少し遅くして重い映像伝送も可能にしている」と日立国際電気の金山氏は語る。

IEEE801.11nの問題点とWiMAXの将来性

 11nで速度が出るわけは、従来の無線LANは伝搬経路の違いから歪みが出るため、嫌っていたマルチパスを積極的に利用し、経路の違うもので別々のデータを流し、受信側ではそれを分離して、速度を足して、マルチパスを有効的に積極利用しているためだ。

 ところが、そのマルチパスが時間とともに変化する。そうすると、その組み立てがうまくいかなくなってくるので、結局は11nの速さが出ない。11nがなぜ高速を謳っているかというと、複数の伝搬経路と安定性を条件としているからだ。

 「送信側と受信側で、どういう反射が起きているかを一瞬で計算して、送信側はAの経路とBの経路で別々のデータを送る。受信側では、ミックスされたデータを伝搬係数で計算してセパレートし、それぞれの速度を足して速さを出している。環境が変化すると、その分離がうまくいかない。従って、11nは当初の速度が達成できず、54Mbpsから65Mbps程度の速度になってしまう。アプリケーションレベルでは半分程度になってしまうので、フルハイビジョンの24Mbps程度が限界となってくる。現実的には、画像データ送信時には圧縮技術を使っていくことになるだろう」とアイコムの小松氏は見ている。

 移動中に使用し、P-P方式で1km程度の距離を飛ばそうとする時、11nの速度を求めるのは不可能に近いと考えられる。そうなると、11aや11gの規格に頼らざるを得ない。安定性や使いやすさでは、11aや11gの方がお勧めとなる。

 また、最近話題を集めている次世代無線ネットワークWiMAXだが、監視システムへの導入は可能という見方がされているものの、常時通信負荷がかかるため、コマ数や解像度をある程度下げた内容でないと、通信事業者設備への負荷が増大すると考えられている。これについて技術的には問題ないと言えようが、運営する事業者が連続の負荷を認めるかどうかにかかってくることになる。結論として、一時的な用途には向くが、動画の常時監視には不向きと考えるべきだろう。

無線利用とセキュリティ

 無線技術のセキュリティ面について考えてみよう。送信したデータを他の人が受信できないようにする方法はあるのだろうか。

 他人が受信できてしまうのは、無線方式を知られているからに他ならない。無線LANからの発想で、IEEE801.11の規格では、無線LANの規格や無線の規格が、すべて公表されているため万人がその方法を知っていることになる。その規格に基づいた装置を使って、同じプロトコルでやりとりすれば、誰でも傍受できることになる。

 このような場合、802.11iで標準化された「動的鍵交換AES方式の選択」を推奨する。RC4系のWEP、TKIPは現在の技術水準ではクラックが容易になってきており、特に同じ鍵を使い続けるWEP方式は鍵長の長さに関係なく不安要素が大きいといわれている。

 しかし、IEEE802.11系プロトコルを採用していないP-P方式の場合は、独自のプロトコルで設計され、基本的に内容が非公開なので、まったく同じ装置を使わなければ受信できない。

 例え同じ装置を作るにしても、全く同じLSIの入手は困難だ。仮に、同じ装置を用意したとしても、ビームアンテナを搭載したP-P方式であれば、無線LANと違って近くにいれば傍受できるというものではなく、ビームの間に割り込んだとしても傍受できない。

 「電波法では無線局は他の無線局に混信や妨害を与えてはいけないという規定がある。特に25GHz帯では周波数選択について詳細に決められており、当社の25GHz帯P-P方式のSINELINK FXでは電源を入れたらまず全チャネルをスキャンして、使っているチャネルでは電波は出せないようにしている。TDD方式といって、1つのチャネルを送信と受信でタイムシェアリングして使っている方式なので、一対の送受信機同士が通信しているところへ別の機械を持ってきても、スキャンの結果、今使われているチャネルから他のチャネルに自動的に移行してしまう。手動にはできないので、傍受しようとしても不可能。同じ周波数帯はレーダーなども使っているので、他に迷惑をかけないための方式」と、日立国際電気の青栁氏が、その理由を語ってくれた。

無線技術がもたらした活用分野の広がり

 P-P方式の用途としては、臨時回線としての利用がある。

 日立国際電気には、トランクに通信設備一式を格納した「臨時回線パック」という製品があり、これにIPカメラを接続して、何か災害があったときなどに災害地域に持って行き、カメラを設置すれば、離れた場所から監視することができる。仮に事故が発生しても機械の損失だけで済む。広域監視と災害監視で大いに役立っている製品だ。

 IEEE802.11系の無線LANに比べて速度が出るだけではなく、雨の場合でも適応変調が働き、自動的に伝送速度が変わる。雨に電波が吸収されてしまうので、変調モードを変え、速度は落ちるが距離は飛ぶというモードに自動的に下げて、距離を稼ごうとする。速度は余っているので、1/3位に落としても距離を飛ばせるようなモードに切り替えるといった特徴も備えているという。

 同じような用途で使える無線LANタイプは、JFEエンジニアリングが提供している。こちらは、可燃性のものを扱うプラントや可燃性ガスが発生あるいは発生の恐れがある場所で使用できる「防爆タイプ」で、11bや11gのような一般的な無線LAN規格に対応している。防爆タイプの製品に採用されている機器は、あるメーカーで販売されているアクセスポイントやカメラであり、それら機器を自社開発した防爆用のケースに内蔵し、防爆対応として販売している点が同社製品の特徴だ。

 もう一つは実際に防爆化すると、例えばアクセスポイントがかなり強固なケースに覆われてしまう。防爆化構造にするには必要なことだが、電波は遮蔽物があると弱くなってしまう。これだと電波が飛ばなくなるので、防爆化しても通常の製品と同等に電波性能を生かす工夫をしたのが同社製品の最大の特徴である。ただ防爆化だけを満たすために作ったものではなく、電波をより広範囲に飛ばすために、自社開発した防爆専用のアンテナを内蔵しているという点も特筆できる。

 一方、既に市街地で監視用途として活躍しているシステムもある。戸越銀座商店街に設置したシステムで、地域住民や買物客を守る目的で商店街の複数の場所に防犯カメラを設置し、その映像を無線LANで伝送し管理している。

 また、三重県四日市市小山町でも、自治会が監視カメラシステムと特定小電力無線機を応用した緊急放送システムを導入して、町の安全を見守っている。

 システムや方式の違うP-P方式でもP-MPでも、その活用趣旨は大きく変わるものではない。ケーブル敷設の負担が大幅に軽減される無線を活用した監視装置は、広く社会全体を見守ることのできるシステムを構築し、育て上げていけるだけの技術力を秘めていると言える。

メガピクセルカメラとHDカメラ

 メガピクセルカメラやHDカメラがますます人気のある製品となっているが、それはユーザーが高画質な映像に気づいているからだ。しかし、帯域の違いと無線摘要の制限があり、すべてのメガピクセルカメラやHDカメラが、大容量の映像データを送るのに適しているわけではない、「メガピクセルカメラやHDカメラによるデータは無線通信で障壁となり、さらにリンクを増やすと負荷はますます大きくなる。そのため、効率よくネットワーク規模を増大させる必要がある。一例を挙げると、カメラ1台に対してネットワークを1本引くのがベターであるが、この方法ではもちろんコストも上昇する」とAMGシステムズのクミング氏は語る。さらに「1本のネットワークでは、5Mbpsのファイルを送ることができ、60~80GHzの波長で複数のネットワークカメラの映像を中央センターに送ることができる」とブリッジウェーブコミュニケーションズのシュラームル氏は付け加える。

 当然のことながら、設置するネットワークカメラには非常に大きな帯域が必要で、そのためH.264を採用してファイルサイズを小さくしているものもある。しかし、これは無線送信が映像伝送で必ずしも最善の策とは言えないことを示している。「圧縮映像ファイルは、常に画質と遅延に大きく影響をおよぼす」とクミング氏は語る。その結果、強固な無線システムをメガピクセルカメラやHDカメラに採用するには、非常に大きなコストを必要とし、さらに送信を円滑に処理するために、余分な設備も必要となる。

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