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連載コラム

「ミリ波パッシブ撮像装置」、成田でフィールド実験実施

[ 2009年10月28日 ]

危険物を赤くマーキング、来年にも実用化<文部科学省委託/東北大学・マスプロ電工・中央電子>

  奥の四角い物体が
「ミリ波パッシブ撮像装置」
奥の四角い物体が「ミリ波パッシブ撮像装置」

平成19年度の文部科学省の提案公募型研究開発事業「安全・安心科学技術プロジェクト」で開発を委託された、東北大学、マスプロ電工、中央電子が共同開発を進めてきた、国産初の「ミリ波パッシブ撮像装置」のフィールド実証実験が、成田国際空港と国土交通省の協力の下、10月14~19日の間、成田国際空港第1ターミナル南ウィング・商品搬入検査場で実施された。金属探知器では検知できない、航空機内への持ち込みが懸念される液体爆発物検知などへの活用を目標に開発が進められたもの。初日には空港関係者を対象に本機の前で2秒程静止した状態で撮像した際、体に隠し持つ危険物(当日は紙粘土等)がモニターに分かりやすくマーキング撮像されることが確認できた。

初日のフィールド実験披露後、関係者として佐藤弘康・東北大学大学院助教、澤谷邦男・東北大学教授、武田政宗・マスプロ電工開発部副部長、渡辺博元・中央電子理事・イメージシステム営業部長が出席した記者会見の席上、研究責任の佐藤弘康・東北大学大学院助教は「実証実験(土日除く4日間)の期間中、200人程のサンプリングを行います。センサーをマスプロ電工、画像処理関連を中央電子で分担開発し、装置全体の設計を東北大学が行いました。一方、犯罪現場や空港での搭乗者検査などを想定した場合、X線バックスキャッターは物の検査が主で、人に当てると被曝するほか、テラヘルツ波は分解能が高いが透過率が小さいなどの欠点があります。一方、周波数が(1㎜~10㎜と)最も高い、人や物から放射されるミリ波帯を対象とするパッシブ型の場合、数万倍に増幅・検波する必要性から、マスプロ電工が開発した25素子のパッシブイメージングセンサーで画像化に成功しました」。更に「今回のミリ波帯は77GHz、波長は4㎜で、被写体は装置から約2.4m離れた位置で撮像しますが、動画を2フレーム/秒のフレームレートにより、最大2秒程度で胸元などに隠したモノを検知、つまり4フレーム程度で可能にしました。また、極小の物まで検出可能とするため、空間分解能は(約20㎜である)指の幅程に設定しています。その結果、国内初のミリ波動画撮影に成功したもので、空港での導入が当初目標であり、ポータブルタイプとしてを開発しました」。

また、「プライバシー対応として、ミリ波画像を様々な画像処理を施し、物体面積に変換したものをマーキングする検知方法で、疑わしい場合はマーキング検知率をあげた状態の画像を録画するため、犯罪への抑止効果と共に、搭乗者の安心安全システムへの参加が容易になりやすいと考えます。実証実験のサンプルを通して、今後は不審物の検知率の安定化を図っていくほか、連続検知の耐久性なども調査します」と解説。

導入応用先として、空港、港湾等の水際や駅、病院、学校等の集客施設、取り締まり・監視場所、火災現場などを想定しており、実用化は来年完成予定の「プロトタイプ2」後の次機が完成する来年を目標にしていることも付け加えた。

(2009年10月25日発行号より)

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