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連載コラム

避難地域の空き巣、大幅増。コンビニATM被害も45件発生・約7億円に

[ 2011年8月2日 ]

警察生活安全企画課 加藤伸宏犯罪抑止対策室長が示唆「ATM対策としてはアンカーボルトや箱の強度強化はじめ、現金回収回数を増やしたり、補填する現金を減少する等が考えられる」

 警察庁は先程、東日本大震災の被災地(岩手、宮城、福島)における、震災後の犯罪情勢を発表した。特に、被災地における無人となったコンビニATM等からの窃盗事案(岩手、宮城、福島)は45件発生し、被害額総計が約7億円に上ったほか、金融機関でも約2000万円被害に遭っており、現場での検問、監視カメラによる出入管理の強化を実施している。更に、警察庁、金融庁や関係業界団体との官民合同会議を開催、ATMの防犯対策の高度化について初めて検討した中、警察庁生活安全局生活安全企画課の加藤伸宏.犯罪抑止対策室長は「現場報告によると、機械警備システムは全てストップした状況下でバールによるこじ開けや電動ドリルによる蝶番破壊などの大胆な手口でATMから現金を強奪した事が報告されており、今後はアンカーボルトによる設置強化の拡充やATMそのものの強度を更に高めるほか、現金回収を早めたり、カセットに入れる金額を少なめにするなどが対策の主流になるのではないか」と、一定の対策案を示唆した。今後、数回検討が重ねられ、まとまり次第、公表する運び。

 発表した「被災地における犯罪情勢」によると、岩手、宮城、福島の被災3県において、大震災後、侵入窃盗が増加するなどの特異な状況が見られたが、時間経過にとともに概ね落着き、3県とも上半期(3~6月)の刑法犯認知件数は昨年上期と比べ減少した、と報告。但し、空き巣被害が【岩手】で69件(昨年同期66件、4.5%増)、【宮城】が332件(同320件、同3.8%増)、【福島】は481件(同230件、109.1%増)。また出店荒らしも【岩手】が19件(同14件、同35.%増)、【宮城】は225件(同128件、同75.8%増)、【福島】は107件(同68件、同57.4%増)を記録。住民が長期間避難している原発周辺で空き巣が増加した特異な状況が浮き彫りになった。

 《侵入防止対策》として、警察では検問実施や監視カメラによる出入管理、自治体ではバリケード設置や立入許可を厳格化したほか、《犯罪抑止対策》では警察がパトロール強化や防犯ボランティア支援を実施、更に《自治体》が一時立入の推進による貴重品等の早期持出、緊急雇用創出事業の活用を実施した。更に《安心の醸成》には、域内の写真等の公開等といった情報発信や相談受付などを実施している。

 一方、コンビニATM等からの窃盗被害として、【岩手】ではコンビニATM被害が2件、約2700万円の被害があったほか、金融機関が1件、被害発生はなし、【宮城】はコンビニATM被害14件(うち未遂2件)・約1億6500万円の被害、金融機関が5件・被害額約1500万円、【福島】のコンビニATM被害は29件・約4億7000万円の被害、金融機関は5件・被害額37万円と報告。このため、金融機関、ATM運営会社、現金輸送を行う警備会社等と協力して現金回収を促進する事としている。

 因みに、被災3県下のコンビニ設置のATMからの現金回収状況は、【岩手】が35台で約4億5000万円、【宮城】は137台で約22億円、【福島】は20台から約3億5000万円。また、警戒区域内の金融機関(金庫、ATM)では50箇所から約24億3000万円の現金が回収された。

 今後の対策として、警察庁、金融庁や関係機関等が集まった官民合同会議を開催、現状報告と対策等が検討され、今後も数回開催し、まとまり次第公表する。

 米・ブリジョーイメージングシステム社(フロリダ州)は、小型・軽量で操作も簡単なパッシブ型ミリ波技術を搭載したポータブル型ハンドヘルドスクリーニング「AllClear」を開発、先程、製品を販売、保守メンテナンスするブリジョー・ジャパン(東京都千代田区丸の内1-8-3、隅谷典久社長、TEL 03-6269-3452)に本社からアジア・南アメリカ担当のJared Laskeyマネージングディレクター(本社社長の子息)が駆けつけ、本邦初公開した。今後、空港、鉄道をはじめ、重要施設向けを中心に販売攻勢をかける。

 本邦初公開した「AllClear」(467x90x72mm、680g)は、ハンディタイプのポータブル型スクリーニング器で、従来器の様に場所をとらず、しかも操作も簡単な小型、軽量が最大の特長。バッテリー駆動で16時間稼働。しかも、人体の影響や健康被害がなく、高い耐久性を誇る。また、使い方も簡単で、スイッチを入れフロアに向けゼロクリアを行った後、検査対象に向け、本器に搭載した7つのセンサ面を水平に15cm程離して宛てるだけで金属探知器では検出できない非金属、液体、紙幣、粉体等の隠匿物を検出する。実際、服装内に紙幣をはじめ、携帯電話、プラスチック爆弾を模した粘土やカッターなどを隠匿し、スクリーニングすると隠匿物を検出したセンサ位置の裏側にあるランプが青く光り、隠匿場所を表示した。フル充電で16時間の稼働が可能なほか、3時間充電で7~8時間の稼働が可能。

 オープンプライスだが、同社では固定式パッシブ型ミリ波ボディスキャナー「SafeScreen」のおよそ20分の一(100万円超)を想定。空港・エアラインをはじめ、鉄道、港湾、税関、データセンター、刑務所など重要施設向けに販売していく方針。また、4つのセンサを搭載する、より低コスト・小型化タイプの製品開発も計画中のほか、センサカバー搭載などユーザーの要望を取り入れた改良も検討していく。なお、同器はTSA(米国運輸保安局)ラボで現在テスト中。

 同社の主力製品であるボディスキャナー「SafeScreen」は、両腕を上げた状態で左回りに90度づつ回転し、4回のスキャンで終了、検査完了まで僅か約8秒。また、本体横のモニターで、人としか判断できない画像の一部に、隠し持ったモノが映し出される仕組みを採用、安全なパッシブ型で健康への配慮、更に検査結果はボディーラインが見えない形でしか表現しないことで搭乗者のプライバシーを保護できる等が特長。既に米空港で300台が稼働しているほか、更に300台が導入待ちという。

 金属探知機等で検知できない爆発物等を検知するボディスキャナーが欧米の空港で導入され、日本でも昨年、成田国際空港で実証実験を行い、結果、ガイドライン策定による2次検査での導入が示唆されただけに、今回の小型・軽量、かつ低コストのパッシブ型ミリ波技術を搭載したポータブル型ハンドヘルドスクリーニングの開発は導入機運に拍車が掛かるか注目される。

(2011年7月25日発行号より)

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