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連載コラム

港湾のモノ・ヒト情報「出入管理情報システム」、前進

[ 2009年11月30日 ]

来年度中、横浜・神戸で試行運転実施、決定で国土<交通省/出入管理情報システム導入促進会議>

米国同時多発テロを契機とした改正SOLAS条約等に基づき、監視カメラなどによる制限区域での監視をはじめ、保安訓練の実施など保安対策を進めてきたが、国際化の流れを受けて、コンテナなどの物流円滑化と同時に、なり済まし等を防止するため、いわゆるモノ情報とヒト情報も同時にチェックする「出入管理情報システム」の導入実現化に向けた検討が本格化してきた。先に港湾関係者による導入促進会議が開催され、全国共通の生体(指紋)情報を付与したICカード通行証を使った試行運転がいよいよ来年度中に、横浜・神戸港で実施することが確定したもの。コスト負担などのあり方などが焦点で、今後、検討を継続していく方針。そこで、同プロジェクトのコアとなる港湾局総務課の高田昌行・危機管理室長に概要を聞いた。以下は一問一答。

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―港湾の出入り管理システムは、何を目指しているのですか。
高田 そもそも同プロジェクトは港湾物流の迅速化とセキュリティの確保の両立を目指して国と地方が一体となって進める施策です。

―出入管理情報システムの概要は。
高田 港湾、イコール物流の効率化が本筋で、同時に米国同時多発テロ後の改正SOLAS条約に則り、国際的な港湾における保安体制の強化が重要課題となりました。そこで、当局では海外調査等を参考に、全国共通のIDカードを使った認証システムの導入により、"ヒト"と"モノ"の出入情報を一元管理する方針を策定し、実現に向け検討を重ねてきました。

―具体的には。
高田 トラック業者など港湾関係者には、顔写真等のデータを搭載したIDカード(PSカード=ポートセキュリティカード)を発行し、迅速かつ確実な本人確認を実現する計画です。

―IDカードの発行対象は決定済みですか。
高田 港湾での従事者は制限区域ごとでたくさんの通行証があります。これらの一体化や発行手数料等も今後検討していきます。

―米国など海外事例はどのような体制ですか。
高田 私が調査した米国では、港湾セキュリティ法等に基づき、生体認証情報を付与したTWIC(運輸労働者身分証)を少なくとも港湾従事者120万人に発行しており、4月から運用を開始したと聞きます。また、港湾関係者でもTWICカードを保有しない場合、同カードを持った者が随行しなければ入場が許可されないほか、TWICには生体(指紋)情報を搭載しており、発行手数料132.5ドルを一人一人から徴収したそうです。とはいえ、カードリーダーによる自動認証は未達で、ロサンゼルス港やニューヨーク・ニュージャージー港では、今年度末からの試行を検討している段階です。

―日本での決定事項は。
高田 来年度、早くて来秋には横浜港と神戸港を舞台に試行運転を実施することが決定しました。今後は、ユーザーのコスト負担をはじめ、申請方法などIDカードの発行・運用が焦点になります。

―来年度中に試行運転を実施ということは、来年度概算に要求計上されたということですか。
高田 今言えるのは今年度予算、及び補正予算分はいただいているといことだけです。


いずれにしろ、コンテナ搬出入情報の電子化・共有化とICカードによる出入管理情報システムの導入により、ユーザーの利便性の確保とセキュリティレベル向上による効率的な国際物流ネットワークが実現の方向にあることは間違いない。

(2009年11月25日発行号より)

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