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連載コラム

現状テロ対策体制で臨む~日本APEC<警察庁警備局警備課長(警視長)斉藤実氏インタビュー>

[ 2010年3月1日 ]

各省連携下、APIS、外国人宿泊客確認等

経済分野における国際協力推進の場となる「2010年APEC(アジア太平洋経済協力)」閣僚会議(11月10~11日)、更に首脳会議(13~14日)が横浜市内で開催される運びで、会場周辺、及び八都市にまたがる大臣クラスの会合開催における警備はどのような体制か。斉藤実・警察庁警備局警備課長が当社のインタビューに応じた。

「米、中、韓、露など総勢21ヵ国・地域の首脳、配偶者、閣僚の最大84名が一堂に集結する国際会議を想定している。わが国はこれまでも犯罪対策閣僚会議での決定事項を基本に踏まえ各省庁、及び関係国際機関との連携を密にした数々のテロ未然防止対策を実施してきており、先進国の中、テロ・暴動を起こしにくい国である」と強調。現在描く警備体制のシナリオに自信を見せた。

その中、課題として、まず、「多数の外国要人の来日」を指摘。最大で84人もの首脳等が来日する予定で、国内では最大級。それだけ、会場・周辺、及び宿泊施設などの状況把握や万全な警護の難しさを示唆した。次に指摘した課題が「全国各地での閣僚会合の開催」。

6月に北海道で開催する貿易担当大臣会合から首脳会議までの会期間は163日間。また、9月開催の奈良市の観光大臣会合から11月開催の首脳会議まで約50日間で7つの大臣会合が開催されるため、長期&広域的な警備が要求されることになる。同時期には天皇皇后両陛下等が出席される国体(千葉県)、育樹祭(群馬県)等も開催されるため、警備陣容の的確な構築が課題とした。

更に、横浜市内という「首都圏での開催」は、宿泊施設の集約・把握をはじめ、周辺の高層マンションなど住居・観光エリアに配慮した警備体制のあり方など、複合課題への対応が要求されることも示唆した。また、会場入りには成田、羽田といった国際空港経由での移動が必然で、(千葉県警、警視庁、神奈川県警による連携といった)広域エリアでの警備連携が必要となるほか、場合により、各国在日大使館への訪問、視察等イレギュラーな移動も想定した警備体制も要求されると指摘。

このほか、「厳しい警備情勢」も課題。国際的なテロ活動が頻繁化する今日、わが国も例外ではなく、また犯行手口が巧妙・複雑化しているため、水際で確実に阻止することの難しさと重要性も指摘。そのため、"空港・港""地域""会場周辺"といった"3段構え"のチェックで確実に阻止する構え。

なお、会期中は会場周辺での車両内外の検査、不審車侵入防止対策、横浜港などの水中探知などを重点的に実施するほか、犯罪対策閣僚会議で策定した、各省庁連携によるテロ未然防止対策(APIS旅客情報システム、IC旅券や航空保安検査強化実施など)を基本に厳格な警備体制を敷くことで、暴動やテロ行為を起こさせない体制での開催となることも、改めて強調した。

(2010年2月10日発行号より)

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