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連載コラム

世界初ボディスキャナー5機種実証実験、成田で7月5日から

[ 2010年6月28日 ]

佐藤美次・航空保安対策室長が全貌を語る<国土交通省航空局>

 航空保安強化の一環から、〝現代技術の粋〟とも言えるボディスキャナーを使った実証実験が、いよいよ7月から成田空港でスタートする。国内初の実験のため、全容が見えない中、国土交通省航空局監理部 航空安全推進課 航空保安対策室の佐藤美次室長が当社の単独インタビューに応じ、「一定期間での空港における5機種の実証実験は世界初。当然、金属探知機等で検知できない爆発物等の検知能力を見るのが基本。同時に安全性やプライバシー保護なども最重要課題。果たしてフィールドでお客様などに受け入られるかなど、総合的な実験が今回の実証実験。画像データは保存せず破棄するほか、協力者から得た調査データなどを元に、実行委員会の評価を実施していただくこととしている。今後、世界状況等と照らし合わせながら、適切に対応したい」と語った。

以下は一問一答。

―改めて、実証実験の目的は。

 昨年発生した米国機に対するテロ未遂事件を受けて、金属探知機による保安検査では探知できない化学物質爆薬の持込みを阻止するため、航空機に対するテロ防止のための閣僚会議が我が国を議長国に開催した際、『プライバシーや安全を尊重した持ち込み禁止物の検知、又は阻止できる現代技術を活用する』ことが共同宣言の中に盛り込まれました。その一環で現在、世界の空港で運用、又は試験中であるボディスキャナーを日本国内での導入に向けてミリ波タイプを中心とした多様な機種を対象に実証実験を実施するとともに、導入に向けた課題を検討するものです。

―これまでの実行委員会審議で決定した事は。

 対象機種として人体への影響を考慮する必要がない〝ミリ波・テラ波タイプ〟5機種を選択し、個人のプライバシー保護、また実験での対象者や実施方法、更に成田空港での実験場所などを決定しました。

―検査場とスケジュールは。

 検査場所は成田国際空港の第1ターミナルビル南ウイング保安検査場入り口前の一つのラインに特別区画を設定し、実証実験の場を周りから見えない様、パネル壁で囲うほか、入り口に受付案内係を配置し、更に掲示板、ビデオ放映、パンフレットなどで事前に協力頂ける方に実験内容について理解を得るようにします。

 スケジュールは7月5日から9月10日までの期間、『L3(アクティブ型)』、『東北大学・中央電子・マスプロ電工(パッシブ型)』、『ブリジョ―社(パッシブ型)』、『スミス社(アクティブ型)』、『スル―ビジョンシステム社(パッシブ型テラ波)』の順で実施します。検査時間は午前9時から午後5時までを基本とし、予想以上に混雑する場合などは一時休止する場合もあります。

―被験者の選択は。

 同意を得られた、主に日本人一般搭乗客に検査場で検査を受けていただき、検査後出口の所で調査委託したASBC((財)空港保安事業センター)の調査員が『実証実験に対する感想』を伺うこととしております。もう一つが、数種類の模擬爆発物や凶器などを携帯した調査員による検知能力を測る実験です。

―実証実験のサンプルデータ数はどのくらいを想定していますか。

 できる限り多くのサンプルを集めたいと考えていますが、1機種あたり、100以上を目標としております。

―取得した画像自体、プライバシーを侵す事は無いのですか。

 安全と同様、プライバシー保護を最優先し、画像分析を行う調査員は被験者から見えない(囲まれた別室)場所で行うほか、画像は本人特定が出来ない様、顔にぼかしを入れ、更に画像分析者は実際の被験者と見比べる事が出来ない様にします。また、画像が外部に流出しない様、転送防止のほか、画像分析室には鍵を掛け、調査員以外は入れないほか、入室時にはカメラ付き携帯電話やデジカメ等の持込みを禁止します。更にスキャンした画像データは保存せず、破棄します。

―米航空機爆発未遂事件同様、股間に爆発物を隠し持つ実験は。

 模擬爆発物実験の際、調査員による、同様なケースを想定した実験も実施します。

―今回の実証実験結果で対象機種の順位、あるいは絞り込みを行いますか。

 あくまで、機器の運用の利便性や検知性能等について実行委員会にて評価を実施して頂きます。

―ところで、今回の実験は先行する米国のTSA基準(orヨーロッパ基準)、または日本独自の基準となるものですか。

 今回はあくまでも実証実験として、機器の検知能力及び検査員の対応等を比較検証するものであり、実際の保安検査機器としての扱いとはしておりません。海外での認証等の実績については参考になります。今後は、委員会での評価等を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。

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(2010年6月25日発行号より)

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