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連載コラム

「MICE海外施設」調査 年度内報告<竹原勇一・観光庁観光渉外官(国際機関担当)に聞く>

[ 2010年11月18日 ]

「MICE海外施設」調査、報告書元に指針作成へ
IR・カジノ事例や国内施設現況調査も

 国内経済活性化を目的とする新成長戦略の一環として"観光立国"を目指す中、柱の一つとして「MICE(国際会議)」の国内誘致が大きな鍵とされており、今年度初めて『MICE誘致戦略・施設のあり方に関する調査』を実施し、海外事例、及び国内の誘致活動を行う自治体・企業などの調査データを集めた国内外の事例報告書がまとまり、これをたたき台に来年度実現化に向けステップアップを図る計画。

 そこで、海外のMICE施設やIR等の調査を委託した、MICE推進担当の竹原勇一・観光庁観光渉外官(国際機関担当)に調査内容と目的、今後の戦略を聞いた。

― 海外のMICE事例の調査事業がスタートしました。

去年3月に出た「第13回観光立国推進戦略会議」報告書、更に今年5月の「国土交通省成長戦略」「新成長戦略」の中でMICEの誘致・開催を積極的に推進することが提言されました。つまり、政府挙げて観光立国を実現する上で、MICE誘致を重要課題と捉えたわけです。インバウンドの視点、経済効果、プレゼンス向上など総合的な経済成長戦略になり得るものだからです。

 承知の通り、MICEとは(Meeting=会議、研修、Incentive=招待、Convention,Conference=学会、国際会議、Exhibition=展示会)の4つのビジネス・セグメントの頭文字をとった造語ですが、韓国やシンガポール等の各国においてMICE産業を主要産業と位置付け、国際会議のみならず、MICE全般の誘致・振興に積極的に取組んでいます。丁度、今年は日本で「APEC(アジア太平洋経済協力)」首脳会議や「COP10(生物多様性締約国会議)」などの国際会議もあり、観光庁では今年度を"Japan MICE Year"として日本がMICEの開催適地であることを集中・積極的に海外へアピールするほか、国内的にまだ浸透していないMICEの意義等について、広く国民に啓発していく活動も進めています。更に、MICEに関する人材育成も重要で、東京・大阪を会場に4回ほどセミナーを開催し、関係機関に携わる人材育成の支援をしていきます。

― 調査目的は。

 国際的な競争力のあるMICE施設の現況や競合国の誘致戦略・マーケティング等について調査するほか、国内のMICE施設の現況等の情報収集も行い、これを元に我が国のMICE誘致戦略、国内における国際競争力のあるMICE施設のあり方に関する指針などを作成する計画です。更に海外でのMICE施設は会議場、展示施設だけでなく、ホテル、ショッピングモール、レストラン、劇場、アミューズメントパーク、カジノ等が一体となったIR(Integrated Resort=複合型リゾート施設)が主流になりつつあり、日本への適用性についての可能性調査とカジノを導入する際に必要となる環境整備方策についても考察していきます。

― 調査項目と具体的な国や施設などは。

 調査項目として (1)海外のMICE施設の事例収集=シンガポール、韓国、マカオ等を直接調査したり、書面調査 (2)海外のMICE誘致施策に関する調査 (3)国内の既存施設の現況の情報収集 (4)国内のMICE誘致施策に関する検討 (5)IR及びカジノに関する海外事例(法制度等)の収集 (6)IRについての考察です。

― 調査スケジュールと今後の展開は。

 観光庁ではMICE関係の有識者を委員とするMICE誘致戦略・施設のあり方に関する調査検討委員会を立ち上げており、既に10月に初めての検討会を実施したほか、中間報告を行った後、来年2月までに3回検討委員会を開催する運びです。そして年度内に最終報告を行う予定です。

― MICEの市場規模と、世界的な位置づけは。

 残念ながら正確なデータはありません。ただ、MICEを含め関連する経済波及効果などを試算すると1兆円くらいと言われています。これは国内の書籍分野の年間売上高に匹敵します。また、世界における国際会議の開催件数はUIAが2009年に出した報告書ではアメリカが1位、最近の開発発展が目覚ましいシンガポールが2位に君臨しており、まずはシンガポールを抜いてアジア1位になるのが日本の目標として積極的に展開していく方針です。

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(2010年11月10日発行号より)

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